食べ物を分解して体内に吸収したり、栄養をたくわえたりするはたらきを持つのが消化器ですが、こうした消化器系統にできやすいがんの検診メニューとしては、胃がん検診や大腸がん検診が代表的なものとなっています。こうした検診は、都道府県や市町村などの自治体の保健センター、都道府県の保健所などで、管轄区域内の住民を対象として、定期的に実施されています。胃がん検診では、造影剤のバリウムを飲んだうえで、胃のエックス線検査を行うのが通常です。この検査では、さまざまな角度から、最低でも7枚程度の撮影を行って、胃がんがないかどうかを確認します。
胃がんはがんの中で最も患者数が多いとされているもので、基本的には40歳以降の人が検診の対象です。なお、住んでいる自治体ではなく、病院などの医療機関で胃がん検診を行う場合には、バリウム検査に代えて、細い胃カメラ(内視鏡)を体内に挿入して行う内視鏡検査となるのが一般的です。大腸がん検診は、基本的には問診といわゆる検便だけでまずは行うというのが普通であり、こちらも40歳以上の人が対象となります。大腸がんは粘膜の表面にできるもので、もし大腸がんがあれば、ここから出血して便のなかに血液が混じるため、検便によって反応を見ることができるためです。
ただし、場合によっては痔の出血などにも反応してしまうことがありますので、こうした場合は二次検診にかけるなどして、本当に大腸がんであるかどうかをさらにくわしく調べます。
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